キャラクター/孤独な人の肖像 

キャラクター

■キャラクター/孤独な人の肖像/KARAKTER
・1996/125/オランダ
・監督: マイケ・ファン・ディム
・出演: ヤン・デクレイル/フェジャ・ファン・フェット/ベティ・スヒュールマン
<感想>
1920年のオランダ。アムステルダムで私生児として生まれたヤコブ。無口な母の元で育てられた彼はやがて父が冷酷無比な執行官ドレイブルハーブンだと知る。
徹底的に痛めつけられ人生の中で足掻くヤコブは父を見返すことを目標に成り上がっていく。

冒頭殺人が起こり若き青年弁護士ヤコブが逮捕されるところから始まる。警察官にいったい死んだドレイブルハーブンとヤコブがどんな関係なのか訥々と語るヤコブという形式でスタートするのだが、もうこれは4人の役者の素晴らしさに尽きる。

ヤコブ、ヤコブの母、父のドレイブルハーブン、そして無学で教養がなく独学で成り上がるヤコブを世話し続け実質父とも言える存在の弁護士事務所の所長である。

いったいなぜここまでドレイブルハーブンがヤコブを痛めつけるのか。「苦しめて苦しめて鍛え上げる」とドレイブルハーブンが漏らすのだが見ていればわかるがドレイブルハーブンのは実に不器用な愛情である。

そもそもドレイブルハーブンはヤコブの母を愛している。たった一度の関係でヤコブが生まれるわけだがドレイブルハーブンは「いつ結婚する?」という手紙をヤコブの母に送り母はそれを断固拒否する。これが歯痒くてドレイブルハーブンはずっと送り続けなんと何十年ぶりかに再会したそのときも「いつ結婚する?」というのだ。

この不器用さをヤコブも受け継いでいて結局愛する女性を失ってしまうわけだが、しかしヤコブが恵まれているのはヤコブのことを全身全霊を傾けて守ってくれる事務所の所長がいることだ。ヤコブは気付いていないがその優しさは見ている方としてはひどく暖かい。

家族とは一体なにか。愛か、憎しみか、最後の最後に遺書に「父より」と書いているドレイブルハーブン。最後まで不器用な男である。一気に見てしまった佳作。時間を忘れためずらしい映画だ。


[ 2006/12/04 00:17 ] 映画感想き | TB(0) | CM(7)

エンパイア レコード 

エンパイア・レコード スペシャル・エディション

□エンパイア レコード/EMPIRE RECORDS
・1995/90/アメリカ
・監督:アラン・モイル
・出演:リヴ・タイラー/アンソニー・ラパリア/マックスウェル・コールフィールド/デビ・メイザー/ジョニー・ホイットワース/ロビン・タネイ/レニー・ゼルウィガー/ロリー・コクレイン/イーサン・ランドール 
<感想>
いわゆる大手じゃない老舗レコードショップ「エンパイア・レコード」。
そこでアルバイトしているのは個性的すぎる若者たち。そのうちのひとりルーカスはある日偶然エンパイア・レコードが大手に買収されようとしているのを知り、店の売上金9000ドルを増やそうとしてカジノで全部店の売り上げを擦ってしまう。

店長のジョーはそれを知って怒るが後の祭り。実はジョーはオーナーのミッチから店を守るために買い取ろうとしていたのだ。一方店員のひとりAJは今日こそコニー(リヴ)に告白すると大決意。だがそのコニーは幼い頃からの憧れで本日キャンペーンにやってくる落ち目のアイドルレックスに処女を捧げると決意していた。



ってなわけで期待せずに見たらこれがもう最高に面白かった。出演者たちもごらんの通り。下積み時代のレニーだとかリヴだとかなのだ!

これはHRが好きな人間にはたまらない。痺れる。内容はなんてことないんだが、「みんなトラブルがあるんだ」と元凶のルーカスが淡々というように、コニーは優等生のお嬢様なのに薬をやめられなくて、コニーの親友ジーナ(レニー)はイケイケのだれとでも寝ちゃう女の子だけど歌手になるオーディションが怖くてたまらない。
コニーと犬猿の仲のデブラは出勤するなりいきなりスキンヘッドで手首に包帯。AJも美術の専門学校に行っていいのか迷ってる……

もーみんながカワイイ。9000ドル失ってさあどうしようってのを主題にしながらレコード店の一日が過ぎていく。ニヤニヤ笑いが止まらないというか、キャンペーン歌手レックスの「いわないでモナムール」がもう笑えて仕方がない。ちなみにレックスは人間性が最低だ(笑)

HR/HMその他音楽が好きなら迷わずにレンタルショップに行こう! それでつまんない映画を借りるならこれを借りよう! レニーがこの頃から歌ってる。なんというかものすごーく懐かしくて今も好きなんだけど、もっと昔の頃を思い出すというか、音楽のドタバタというかが味わい深い。

ちなみに私はロリー・コクレインが好きなのでこの映画を見たのだが、いやー、実に個性的。本人基本的にインディーズ映画にしかでたくないと決めているのが大変勿体ない限り。この当時彼はレニーと付き合っていたのだが彼はインディーの世界へ、レニーは大女優へとある意味あげ…… いやいや、ロリーはベン・アフレックとも友達でまさに「周囲に花を持たせる人」になってしまった。まーベンの今はあれだが(笑) とにかく彼の周囲の人がみんな売れっ子になるという面白い人である。


そんなロリー演じるルーカスはアホ萌なら萌えずにはいられないほどのアホッ子。
カジノで金を使い込んだルーカスは「俺は街をでる。じゃあな」とバイクで格好良く去っていく(笑) なのに1時間後店に戻ってくるアホッ子。
店長のジョーに叱られて「いいから今日はもうそのソファーから離れるな! 殺すぞ!」といわれたのでずっとソファーに座っている(笑) 
やがてソワソワ。
「ジョー……」
すごい音で全然聞こえない。店長室ではジョーが頭を抱えている。
「トイレに行きたい……」
でも返事がないので行けない(笑) ソファーから離れられないルーカス。と、本当にカワイイ。でもやがて我慢できなくなったのでソファーのクッションを抱きしめながら離脱(笑)

その後万引き少年を捕まえたりなんだりするんだけども9000ドルのことは全然反省しないルーカス。ジョーに「おまえを警察に突き出すのは簡単だ! けどもおまえの保釈金はだれが払う? 俺だよ! 俺!」とか怒鳴られても涼しい顔。
なんでジョーが保釈金を? っていうかジョーなんで閉店係で金庫番をルーカスにさせたんだよとか思っていたら、なんと施設に入れられたルーカスを13のときからジョーが引き取って育てたとかいうおまけ付きでなるほどなーと。兄みたいなものだったのだ。

ちなみにルーカスはアホだが賢い。なんかテンポのずれた人なのだ。他人をよく見ていて実は状況を一番よくわかっているんだが、マイペースで動いているから他人にはルーカスがなにをしているのかいまいちわからない。
勿論それが大迷惑になっていることは間違いはないのだが(笑) が、本当にカワイイ性格で動きで行動でジョーが引き取ったのもよくわかるというか、このまま死ぬまで(誇張でなく)延々面倒見ることになるんだろうなー、でもきっとジョーはそれが幸せなんだろうなー(なにもいわずにみんなを守りたいと考えるジョーのことを実は一番よくわかってるから)と思うと微笑ましかった。

みんなお幸せに!

[ 2006/12/04 00:16 ] 映画感想え | TB(1) | CM(0)

11人のカウボーイ 

11人のカウボーイ

■11人のカウボーイ/THE COWBOYS
・1971/129/アメリカ
・監督:マーク・ライデル
・出演:ジョン・ウェイン/ロスコー・リー・ブラウン/コリーン・デューハースト
<感想>
牧場を経営するウィルは千頭を越える牛の大群を移動させるために悩んでいた。なぜなら時はゴールドラッシュ、いつものカウボーイたちがこぞって金の採掘に行ってしまったのだ。
しかたなくウィルは11人の少年たちを雇いカウボーイとして鍛え上げ旅に出発する。

これだけ書くとありがちな少年ものに見える。実際最初はそんな始まり方をする。だが今の私たちには及びもつかないことだがこれは大開拓時代、命を賭けて牛を守り戦うからカウボーイなのであって、ぼんやりと牛を運んでいけるわけではない。

前半は明るい展開だが後半からは怒濤の展開だ。少年のひとりがふとしたことで牛に押しつぶされて死んでしまう。牛を狙う悪党が現れて戦うもののなんとウィルが卑劣な手に掛かって死んでしまう。

そこから少年たちの戦いが始まる。いや、もうすでに少年ではないのだ。子供だと相手にもしていない悪党たちに復讐の牙を剥く彼らは大人になろうとしている。守られる存在であることは罪である。こんな地ではだれかのために強くなければならないのだという姿勢が強くでている。それがアメリカの大開拓時代である。野生の生き物が早く大人になるようにここでも少年たちは素早く成長する。
だから最後子供たちが復讐を遂げるのだ。
最後の顔はカウボーイの顔である。怯え守られていた少年たちはもうどこにもいない。

しんみりとした話なのだが、子供が大人になっていく過程を描いた映画の中ではよくできている。今だったらこんな映画はちょっと難しいかもしれない。

しかしラスト、あれっていいのだろうか。なんか全然死んでいないような気がしたのだが、途中で戻ってきそうでヒヤヒヤした。そして悪役のロングヘアーの前歯がちょっと出っ張っているのが気になった私は彼のことをおそ松くんのシェーの人に似ていると思ってしまった(笑)実際はハンサムな人だけどね。

[ 2006/12/04 00:15 ] 映画感想わ・数字 | TB(0) | CM(0)

あなたが寝てる間に… 

あなたが寝てる間に・・・

■あなたが寝てる間に…/WHILE YOU WERE SLEEPING
・1995/103/アメリカ
・監督:ジョン・タートルトーブ 
・出演:サンドラ・ブロック/ビル・プルマン/ピーター・ギャラガー
<感想>
シカゴ。駅の改札係のルーシーには身寄りがなく毎日駅でいろんな人を眺めている。ある日のクリスマス・イブに不良に絡まれて線路に転落した男を助けたときルーシーの運命が変わった。
ふとしたことから彼の婚約者と勘違いされてしまうのだ……

寝ているだけ(意識不明)の彼が結構悲惨な気もするこの映画、ルーシーが変なヤツだったらキモチ悪いところだが、天涯孤独の彼女は家族ができた楽しさで告白できなくなってしまう。恋愛というよりも家族が欲しかったわけだ。なんども言い出そうとはするのだがお約束で言い出せないルーシー。

まあ夢物語というか、天涯孤独でもみんなから愛されまくって最終的には男の弟と恋に落ちて、なんだかんだいいつつハッピーエンドなのでご安心を。しかし寝てるだけの役者さんは最後には目覚めるけどそれでよかったのか……(笑) お爺さんが最高にいい味を出しているぞ。
[ 2006/12/04 00:14 ] 映画感想あ | TB(0) | CM(0)

処刑・ドット・コム 

処刑・ドット・コム

★処刑・ドット・コム/MY LITTLE EYE
・2002/95 /アメリカ
・監督:マーク・エヴァンス
・出演:クリス・レムシュ/ジェニファー・スカイ/ショーン・CW・ジョンソン
<感想>
ネットハウスで6ヶ月間耐え抜けば100万ドルという言葉に集められた男女5人。
どこにあるのかもわからない山中、雪が降り積もるその家で彼らは生活をしてきた。ひとりでもリタイアすれば脱落になってしまうこのゲーム、終了を間近に控えたときに異変が起こり始める。

もうネタは最初からわかったと(笑) リアルスナッフの賭けゲームって見て10分でわかってしまった。
最初はすごくしょぼくて寝てしまうと思ったが後半殺され始める頃からちょっと面白くなるよ。

ラストも完全に予想できる。でも結局ちょっと無理があるなあと思ったのは

あのふたりだけで5人をどうやって山中に?

ってところだな。まーいろんなことは警察官だからあれだとしても、主人公たちもおかしいと思ったらカメラ外せよみたいな。

心の癒しはレックスくん。かわいかった。生きてて欲しかったな。怪しいヤツは始まってすぐにわかるのも特徴のこの映画、怖くもなくひねりもなく、ま、ありがちってことですな。

[ 2006/12/04 00:14 ] 映画感想し | TB(0) | CM(0)

噂の二人 

噂の二人

■噂の二人/THE CHILDREN'S HOUR
・1961/108/アメリカ
・監督:ウィリアム・ワイラー
・出演:オードリー・ヘプバーン/シャーリー・マクレーン/ジェームズ・ガーナー
<感想>
カレン(オードリー)とマーサ(シャーリー)は学生時代からの親友で寄宿舎を経営していた。彼らは地元からの信頼も厚くカレンには有力者の恋人もいた。しかし有力者のひとり、ティルフォード夫人の孫娘を引き取ったときに悲劇が訪れる。
邪悪な子供の嘘によって同性愛の噂を立てられ言われない迫害と差別を受けすべてを失う女性の悲劇。

いやーすごいね、子供がすごいね。メリーって少女は邪悪だね。病的なほど我が儘で叱られるのも我慢ならない嘘つき少女。しかも手癖が悪くて人のものを盗むと来た。これが甘やかされて信じられて町全体がこの子供を信じて主役二人がひどいことになる。

カレンは婚約破棄、マーサは自殺…… 強さで乗り越えて最後には人生を立て直すという映画でもあるけど、全然スッキリしない不快感100%映画。救いはメリーの嘘が最後にばれてティルフォード夫人が謝罪に来るところ(でも少女が来ないのがムカツク)

新聞広告も載せて賠償金も払いますに「あなたの良心のためですか。お金さえ出せば夜枕を高くして寝ることができますね」と言うのも当然。ティルフォード夫人の気持ちもわかるんだが実際このふたりの女性はあまりにも悲惨。失ったものが多すぎた。ラスト振り返らずに町を去るカレン。私だったら腹が立って仕方なかったろう。しかしメリーはどうなったんだ。無罪放免だったらムカツク。こんな頭のおかしい娘は更正も不可能だろうから永遠に座敷牢に閉じこめておけ、寄宿舎なんか入れたらまたろくでもないことをするのは100%確実だと映画なのに憤っていた。

とにかくかなり不快感が高い。マーサの告白も周囲がああなったせいで混乱したとしか思えないしなあ。一種のノイローゼだよね。なんかの錯覚なのになあ。あまりにもかわいそう、あまりにも。


[ 2006/12/04 00:12 ] 映画感想う | TB(0) | CM(0)

未来は今 

未来は今

■未来は今/THE HUDSUCKER PROXY
・1994/111/アメリカ
・監督:ジョエル・コーエン
・出演:ティム・ロビンス/ジェニファー・ジェイソン・リー/ポール・ニューマン 
<感想>
1950年代。
大会社の社長が急死した。なぜか45階から突然飛び降りたのだ。そんな会社の株は社長が全部持っていた。一ヶ月後には公開株になってしまうが重役たちには今の値段では手がでない。会社買収を一案した重役たちは「間抜けな社長」を担ぎ出して株価の暴落を狙う。
それに選ばれたのがノーヴィル。予想通り間抜けな彼はどんどん会社の株を暴落させる。だが彼のアイデア商品が思わぬ大ヒットを飛ばしていく。

いやーなんともまったりとした感じの映画。笑うべき所で笑いなさいという感じ。ティム・ロビンスがコメディをやっているのもめずらしい。
新製品がフラフープなのか笑える。でもなんというか見ている間はそれなりに楽しいんだが別に見なくてもどうってことのない映画であることも確かなのだ。

コメディで明るくて小ネタは面白いんだけど二回見るかといわれると疑問かなあ。でもズボンの二重縫いエピソードが大好きなので悪くはないといいたい。マスバーガー役のポール・ニューマンはすっごくいいね。

後全体的に英語がキレイ。勉強にピッタリ。あんまりわかりやすい英語だったのでなっちの字幕が際だつ際だつ(笑) 現代版おとぎ話。ほのぼのしたいときにどうぞ。
[ 2006/12/04 00:11 ] 映画感想み | TB(0) | CM(0)
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