スリング・ブレイド 

スリング・ブレイド

□スリング・ブレイド/SLING BLADE
・1996/134 /アメリカ
・監督:ビリー・ボブ・ソーントン
・出演:ビリー・ボブ・ソーントン/ロバート・デュヴァル/ドワイト・ヨアカム/ルーカス・ブラック 
<感想>
観客は救われないのに作中の主役は救われているとても不思議な作品。

カールはまだ幼い少年の頃母と母の浮気相手を惨殺した。彼は知的障害者だがとてもシンプルで素直な心を持っており、母と浮気相手が悪いことをしているから殺してしまったのだった。
そうして彼は精神病院に入ったが25年が過ぎた頃病院を出ていくようにいわれてしまう。

生まれ故郷に帰ったカールはそこで父親のいないフランクという少年と親しくなる。フランクはカールを好きになり彼らの間には世代を越えた友情が生まれる。そしてフランクは自分の家のガレージに住むようにカールにお願いするがそれは母親の恋人ドイルの暴力性を憎んでいるからでもあった。

温厚で優しく無口で真面目なカールは町の住人たちに受け入れられる。だがフランクを守るために彼はドイルを殺してしまうのだった……

この映画は見ている間中結末が予想できる。「あいつを殺してやりたい」と言い続けるフランク。それを「いけないことだ」と諫めるカール。生まれてこなかったカールの弟の幻影をフランクに見たのか、それともフランクがカールなのか。物語が進んでいき埋めてやった弟の墓の前で泣くシーンは胸に詰まる。

ラストカールはまた病院に戻る。殺したことは果てしのない罪。だがカールは救われたのかもしれない。少なくともフランクは救われた。そうして彼は幸せに生きるだろう。そこにフランク=カールの図式がある。フランクはカールのなり得たかもしれない姿。

これなっちの翻訳なのが哀れ。あんまりなっち節でも気にしない私なんだが非常に気の毒になった。勿体ないなあ…… 字幕そのまんまだと絶対に全然面白くないに違いないよ。悲しい切ないけれど救われようとする映画なのになあ。原題も悲しい。撃ちおろす刃。一体それはだれの心に向かったのだろう。


[ 2006/12/02 01:21 ] 映画感想す | TB(0) | CM(0)
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Author:みちにおちてたぱん
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