
□イン・アメリカ~三つの小さな願いごと/IN AMERICA(エマに万歳)
・2002/106分/アイルランド/イギリス
・監督:ジム・シェリダン
・出演:サマンサ・モートン/パディ・コンシダイン/サラ・ボルジャー/エマ・ボルジャー/・ジャイモン・フンスー/
<感想>
役者志望のジョニーとその妻のサラ。息子を失ったふたりは娘ふたりと共にアイルランドからNYに夢を抱いてやってきた。ヘルズ・キッチンの一角のアパートで新しい生活をスタートさせる4人。だが現実は厳しくジョニーにはなかなか仕事もない。そして同時に亡くした息子フランキーのことが一家に重くのしかかっている。だがある日階下に住むマテオに出会ったときなにかが変わりはじめる。
この物語はとある一家の再生の物語である。苦痛に満ちた貧乏な生活をきっちりと描いている。そしてまた一家は苦しんでいる。末っ子だったフランキーが階段から転落し、脳腫瘍で死んでしまったことに囚われている。
父ジョニーは息子が死んで以来泣くことができない。心が凍っている。だからオーディションで「魂を感じない」といわれる。妻サラは自分を責めながら夫も責めている。死にたいと願っている。夫の目がフランキーを思い起こさせるので目を見れない。サラはビデオカメラで家族を撮るのが趣味だ。そしていつもフランキーに話しかけている。エマは未だ死の意味がわからない。
彼らが不治の病(病名は明かされないがエイズ。輸血感染)に犯されているマテオと出会い生きる希望を取り戻していく。静かな秀作。役者陣に魅力がある。特に7才のアリエル役のエマには脱帽する。アドリブの演技も多かったそうだが、これで7才というところが怖ろしい。エマを見るだけでも価値がある。