Re:プレイ 

リプレイ

■Re:プレイ/THE I INSIDE
・2003/92/アメリカ/イギリス
・監督: ローランド・ズゾ・リヒター 
・出演: ライアン・フィリップ/スティーヴン・レイ
<感想>
サイモン・ケーブルが目覚めたときそこは病院だった。
しかし彼は2年間の記憶を失っていた。彼が覚えているのは2000年。そして今は2002年。記憶のない彼は記憶を辿っていく。
結婚した覚えはないのに妻がいること。そしてなぜか兄は死んでいる…… なぜが謎を呼び彼は過去と未来をくぐり抜ける……

いやー、すごい映画だ。あまりのわけのわからなさに調べてみたりしたほどだ。でなきゃ一刀両断で「わけわからん」と言ってしまうところだ。
この話はつまりサイモンの心の中で起こっている。彼は2000年に死んでいて兄もその婚約者も死んでいる。みんな死んでしまったのだ。

2002の二年は心臓が止まった2分の象徴なのか、とにかく彼は兄と婚約者を救うために無限に心の中をたぐり寄せる。山岸凉子の成仏できなくて延々道を彷徨う女の人の話を読んだ人になら感覚がわかってもらえるだろうか。日本人の方がよりわかりやすいだろう。彼は死んだことがわかっていないのだ。つまり成仏できていないのである。キリスト教圏では大変めずらしい考え方だ。

「いつかは抜けること」という言葉が繰り返し出るがこれは「いつかは成仏すること」に置き換えるといいと思う。だがまだ「THE I INSIDE」に、こちら側に残っているから同じことが繰り返される。善と悪が心の中で戦い続けていく。邦題は的確だが脚本家の心中としては「繰り返すんじゃなくて成仏できてないんだよ〜」と言いたいところだろう。繰り返す限り救われないのはお約束である。

しかし映画的にはこれは失敗。だって本当によーく考えないと意味不明なのだ。道義的意味で解決はない映画だがちょっとあまりにもわかりにくい。気持ちはわかるがテーマが難しかったかなと思う。なんというか自分勝手な映画になってしまったのだ。うーん、勿体ない。


[ 2006/12/03 23:10 ] 映画感想ら〜ろ | TB(0) | CM(0)

レボリューション6 

レボリューション6

■レボリューション6/WAS TUN, WENN'S BRENNT?
・2002/101/ドイツ/アメリカ
・監督:グレゴー・シュニッツラー
・出演:ティル・シュヴァイガー/マーティン・ファイフェル/セバスチャン・ブロムベルグ/ナディヤ・ウール/マティアス・マシュケ/ドリス・シュレッツマイヤー/クラウス・レーヴィッチェ
<感想>
ドイツベルリン・クロイツベルグ地区マッハナウ通り。かつてそこには6人のアナーキストな若者が住んでいた。1987年彼らは爆弾を仕掛けたがそれは不発に終わった。

それから15年。ベルリンの壁が崩壊した今6人のうち4人はすっかり真っ当な生活を送り仲間のうちティムと車椅子のホッテだけが相変わらずその廃屋に住んでいた。
ところがなんの因果か15年前に仕掛けた爆弾が2002年の今になって爆発する。躍起になった警察が捜査し押収した中に偶然6人の犯罪を示すフィルムがあった。

「ポーランドへ逃げちまおうぜ」といいつつお人好しのティムとホッテは仲間に連絡を取る。かくしてかつての仲間たちがもう一度あつまりフィルム奪還の計画を立てるのだった。

右とか左とか関係ないよ、つまりは友情なんだよという「ドイツというお国柄だから」こそのネタ。
かつての仲間が集まって計画を立てるのが面白い。話的にはありふれているんだが、かつて若い青い頃を一緒にした仲間たちを大切にするというか、ラストの爆弾エピソードがジーンとする。

かつて給水車にひかれたホッテをみんなで見捨ててしまった。ティムだけが側に残って彼の面倒を見た。再びホッテが救いを求めたとき「もう今度は逃げない」とみんなで救いに行く。エリート広告マンのマイクがティムを大好きな気持ち、ホッテがティムを大好きな気持ち、気弱な弁護士テラーの見せちゃう勇気、女の子ふたりの可愛さ、彼らを追う老刑事の「催涙弾の影響かな」って飄々とした台詞、青春映画(ちょっとオッサンになった)としてなかなか面白い。

アナーキーなはじまりだったのでやばい政治思想ネタだったらと思っていたが、なんのことはなく正統友情ものであった。ドイツ映画のこういう家族系を大切にするネタは面白いなあ。陰鬱な映画も多いけどコメディも多い。普通に正統派に面白い映画だったので投げずに最後まで見ることをお薦めする。

[ 2006/12/03 23:00 ] 映画感想ら〜ろ | TB(0) | CM(0)

列車に乗った男 

列車に乗った男

□列車に乗った男/L' HOMME DU TRAIN(もしももう少しはやく出会っていたなら)
・2002/90/フランス/ドイツ/イギリス/スイス
・監督:パトリス・ルコント
・出演:ジャン・ロシュフォール/ジョニー・アリディ
<感想>
観光シーズン以外は人がやってこないような小さな町。そこに中年の男ミランは降り立った。とある仕事があるのだが頭痛がひどく薬局へと赴く。
いかにも流れ者といった風体のミランを見て顔をしかめる薬局の店員。アスピリンを受け取ったが発泡剤だったことに店を出てから気付く(水に溶かす薬)
狭心症の薬を買うためにそこに居合わせた初老の元教師マネスキエはその様子を見ていたが「私の家に来ないかね」とミランを誘う。そしてひょんなことから3日間を共に過ごすことになる。そして奇妙な友情が生まれ始める。

いったいどうしたことだ。キッチンストーリーもそうだったが今年は「オヤジ同士コンビ」に大変萌えがある年なのか。いや単に私が好きなだけか。キッチンストーリーがほのぼのならこちらは切ない展開だ。
ミランはこの小さな町で銀行強盗を計画している無口な男。革ジャンに短髪、拳銃を持ち眼光は鋭く刺青も入っている。
マネスキエはこの小さな町からでたこともない。穏やかで知的で詩の教師でピアノを弾きパイプ煙草をたしなむ。

このふたりがお互いの立場に恋い焦がれる。
とにかくマネスキエは最初の出会いからミランに惹かれる。彼を誘い彼と一緒に過ごしたい、話したいと願う。子供の頃から無法者に憧れていて、でも自分はそうなれないことを知っていたからたまらなく憧れる。彼を大好きだとその目の輝き、口振りから伝わってくる。

彼の革ジャンを着て西部劇の真似をひとりでするのが大変カワイイ。「刺青は入ってるのかね?」「銀行強盗するのかい?」「いいなあ、私も加わりたい」実に無邪気。頼み込んで銃を撃たせてもらったときの喜びよう。なんと髪型までミラン風に変えてしまう。

一方のミランも最初は驚いていたもののマネスキエに憧れる。彼が留守の間に代わりに家庭教師をしてひどく温かい目になる。そして強盗をやりたくないと思い始める。仲間たちにやらないとさえ言う。マネスキエの彼女に非常に敵愾心をもたれたり「あなた嫉妬してるの?」とまで言われるほどマネスキエに憧れる。

パン屋で無視されること。貰ったスリッパ。薄暗い町の外れでふたりで銃を撃つ。静かな晩餐。渡される詩。

マネスキエは心臓の手術を控えている。ミランは仲間を見捨てられず強盗に行く。
運命は交差する。彼らふたりの運命を担う車が交差する。

死の間際ふたりともながらに互いの人生を交換する夢を見る。薄く目を開きマネスキエは列車に乗って流れ者のように旅に出る夢を、ミランはマネスキエの家でピアノを弾く夢を見る。
列車に乗ってやってきた男がいた。そして心を列車に乗せて去った男がいた。お互いに焦がれながら共に人生の幕引きをした。

彼らの結末は切ない。静かに切ない。
ひとりで静かに見ることをお薦めする。
[ 2006/12/01 17:18 ] 映画感想ら〜ろ | TB(0) | CM(0)
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Author:みちにおちてたぱん
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